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在宅医療に従事するスタッフはどんな仕事をしているの?

2021年05月14日

高齢者や身体に障がいを抱え、病院への通院が困難な方のために医療スタッフが自宅や施設に出向いて診療やケアを行う在宅医療。

近年広く普及しつつありますが、実際にはどんな職種の人々がどのようなことを行っているのでしょうか。

それぞれの職種の仕事内容をまとめてみました。

在宅医療に関わる職種

在宅医療と言えば、家にいながら医師が診察をしてくれる、と浮かびますが、それだけではありません。

他にも歯科医師、衛生士、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、ケアマネージャー、ホームヘルパー、医療ソーシャルワーカーなど様々な職種が関わり、共に連携して地域ぐるみで患者さんを支えているのです。

在宅医療での仕事内容とは?

では実際にそれぞれの職種ではどのような仕事を行っているのでしょうか。

各職種ごとに見ていきます。

医師

医師は日頃から患者さんの全身状態や持病の状態を診察し、投薬指示やアドバイスを行ったり、看取りも行います。

また、要介護認定に必要な意見書の作成や大きな病院への紹介も行っています。

多職種との連携においても、医師の意見は欠かすことができません。

在宅では時に病状の急変も起こりえるので、24時間体制で診察を受け付けている診療所もあります。

看護師

看護師は医師の診療補助の他、医師の指示のもと、血圧測定や採血、点滴、注射、カテーテルの交換を行います。

また、褥瘡の処置、服薬管理・指導、摘便なども行っています。

患者さんの日頃の身体の調子や悩みを聞きやすい立場にいるので、患者さんにとっても頼りになる存在です。

歯科医師・衛生士

歯科医師は歯周病の治療、虫歯の治療、入れ歯の作成や調整を行います。

また、衛生士が診療補助の他、口腔ケアを行います。

口腔内の清掃状態が悪化すると、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高まるので、口腔ケアはとても重要です。

2-4.薬剤師

薬剤師は個々に合わせた薬の調剤や服用の方法、副作用の説明などを行っています。

患者さんに直接薬を届けて服薬の状態の確認や、説明を本人、家族に行います。

医師から処方された薬を届けてくれるので、家族の負担も軽減されます。

理学療法士

理学療法士は病気や怪我によって低下した運動機能を回復させるリハビリを行います。

日常生活に必要な「起き上がる、立ち上がる、座る、歩く」などの基本的な動作の回復を目指し、ADLの向上を目指します。

病院に通院できない患者さんは寝たきりが多いので、そのままにしておくとどんどん筋力もなくなってしまいます。

なので、リハビリはとても重要です。

作業療法士

作業療法士は日常的な生活に必要となる動作のリハビリを行います。「食事を食べる、トイレに行く、着替えをする、入浴をする、料理をする、掃除、洗濯をする」などです。

個々の人にとって必要である、または回復したいと思う動作を一人でできるようサポートします。

今までできなかったことができるようになっていくと、患者さんにとって、生きる力になります。

言語聴覚士

言語聴覚士は「聞く、話す、嚥下(飲み込み)」機能の訓練を行います。

病気でこれらの機能が低下すると、日常生活にとても不便が生じるため、専門的なリハビリがとても重要です。

栄養士

栄養士はバランスの取れた食事のアドバイス、患者さんの栄養状態のチェック、ペースト食やきざみ食など、医師・歯科医師と連携して食形態のアドバイスを行います。

病院食ではなく自宅だと、栄養バランスが偏りがちなので、定期的にアドバイスしてもらえるとバランスを整えやすくなります。

ケアマネージャー

ケアマネージャーは在宅医療を行うにあたり、個々に合わせた「ケアプラン」を作成し、日々のケアの方向性や計画を立てています。

要介護認定を申請する際のサポートも行っています。

ケアマネージャーは地域ぐるみで患者さんを支える際の中心的役割を担っており、多職種との連携も多く、とても重要な職種です。

ホームヘルパー

ホームヘルパーはケアマネージャーが作成したケアプランに従って掃除や買い物、食事の準備、介助などの生活支援、また入浴や排泄、寝具へ寝かせたり、車いすへの移動、などの身体介護を行っています。

患者さんにとって日頃から接しており、とても頼りになる存在です。

医療ソーシャルワーカー

医療ソーシャルワーカーは患者さんとその家族の様々な相談に対し、アドバイスを行っています。

在宅医療に関わる他職種と連携し、入退院、在宅での療養を支援しています。

必要なサービスの受け方が分からなかったり、自分に合ったサービスを教えてくれたり、困った時に最適なアドバイスをしてくれます。

まとめ

このように、一言で在宅医療と言っても、様々な職種の人々が色んな形で患者さんと関わり、連携し、地域ぐるみで患者さんを支えています。

患者さんの症状も人それぞれなので、自分に合ったサービスを最適な環境で受けられるように、まずは医療ソーシャルワーカーやケアマネージャーに相談してみると良いかもしれません。

written by 医師(歯科) 柏井かおり